今回はCBDの違法・合法についてお話します。CBDは日本でも合法で安心して摂取できる成分ですが“フルスペクトラム”は違法です。国による法律や製法、使用部位の違いで“違法”になるものもあるんです。ややこしいルールが多いので表などを用いてわかりやすく解説していきます。

CBDは違法?合法?

まず結論からお伝えすると、CBDは日本でも合法の成分です。ただし、そこには細かな法律や製法による規制があり、ややこしくてはじめはわかりにくい部分もあります。法律を理解していないと、意図せず違法の製品を手にしてしまう可能性もあるんです汗
そのため、順を追って表など見ながら解説していきたいと思いますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
CBDは日本でも合法

CBD製品は日本でも合法ですが、同じく麻の成分である精神活性作用、いわゆる人をハイにさせるTHCは違法です。成分の違法・合法については以下のようになっています。
日本 | アメリカ | |
CBD | 合法 | 合法 |
THC | 違法 | 多くの州で合法 |
日本では第二次世界大戦後に大麻草の利用が禁じられたため、CBDなどのカンナビノイドが市場に出回ることはありませんでした。そのため、日本では「大麻草の成分全てが違法!」という間違った認識ができてしまった部分があります。
でも実際、戦後の法律でもCBD自体は禁じられていませんでした。そのため、アメリカでCBDがブームとなって数年後の現在、日本でも輸入品が浸透してきているのです。
ただし、現在も日本で大麻草の栽培はごく限られた許可のある農家でしか栽培できず。研究や医療目的の利用、麻の売買などは禁じられています。
ちなみにアメリカでは2018年にヘンプ(THCの含有率が少ない大麻草の一種)の産業利用が解禁されたことが皮切りとなり、一気に市場は広がました。
- 日本ではCBDは合法
- 日本ではTHCが違法
- 日本で大麻草の利用、研究、売買が違法(栽培はごく限られた農家のみ)
ヘンプの部位によって日本で違法

日本ではCBDは合法とお伝えしましたが、実はヘンプの使用部位によっては違法となる場合もあります。つまり、CBDを抽出する際にヘンプのどこの部分を利用するかで、日本では違法製品となるということですね。
CBDはTHC含有率の少ないヘンプから抽出されていますが、日本の法律では「その中でも更にTHCが少ない部位しか利用できない」決まりとなっているのです。
日本 | アメリカ | |
ヘンプの利用可能部位 | 種と茎のみ | 花や葉など、ヘンプ全体を利用可 |
基本的に日本に輸入される製品は、輸入書類に「ヘンプの利用部位」が書かれているため安心して利用できるとされています。 取り急ぎCBDが合法であることがわかりましたが、まだCBD効果などについてあまりよくわからないという方は、こちらの「入門編」の記事を併せてご参照ください。
関連記事:初めてのCBD【入門編】- 日本では種と茎のみ利用した製品が合法
- 上記以外の部分を利用した製品は違法
CBDが違法と言われる理由は?

CBDが違法と言われるのに、戦後から現在まで続く大麻草の利用や研究、売買の禁止などの影響が大きいと言えるでしょう。
海外では医療大麻なども盛んで、実際に医院で処方されることもありますが、日本で大麻草と聞くと、拒絶反応が強いのが実情です。たしかに、有名人の事件などを見ると「怖いな…」っておもいますよね汗 大麻草から抽出させるCBDにも、未だに疑問や心配の声が上がってしまうのは、無理もないかもしれません汗
また、CBDは製品によって配合成分が異なり、日本で利用できないものもあります。法律や製法など、一言では説明しにくいのも、正しい知識が浸透しない理由かもしれません。
でも最近ではCBDを健康目的で利用する方が増えていて、病院でも自由診療で採用しているところも出てきています。免疫力を向上させる作用が期待できることから、特にコロナが心配の時期に市場が急伸しているとも言われていますね。
関連記事:CBDでコロナの予防や治療が?世界の実験内容をまとめ- 戦後の法律によって日本では大麻草に対する拒絶反応が強い
- 最近では自由診療で取り入れている医院も増えている
CBDは製法によって違法となる

上記以外で日本でCBD製品を利用する際に注意する必要があるのが、“製法”です。
CBD製品は製法によってTHCが含まれることがあり、日本では違法商品となるのです。CBDの製法は主に以下の3つに分かれています。
- フルスペクトラム製法
- ブロードスペクトラム製法
- アイソレート製法
また、この3つの製法の特徴や法律については以下の通りです。
製法 | 特徴 | 法律 |
フルスペクトラム | ヘンプに含まれる全ての成分が含有される製品 (THC、CBD、その他カンナビノイド、テルペン、栄養素など) また、相乗効果(アントラージュ効果)によるCBDの高い効果が期待できる | THCが含有されるため、日本では違法 |
ブロードスペクトラム | THC以外の全ての成分が含有される製法(CBDやその他カンナビノイド、テルペン、栄養素など)フルスペクトラムまではいかないが、相乗効果が見込める | THCが含まれていないため日本でも合法 |
アイソレート | CBDのみを抽出する製法。99%と純度の高いCBD。相乗効果はないがドーピングなどでTHCが見つかることがなく、またその他不純物(農薬など)も排除できる | CBDのみなので日本でも合法 |
つまり、日本ではブロードスペクトラム製法とアイソレート製法の製品が合法というわけですね。
- フルスペクトラムは日本では違法
- ブロードスペクトラムは日本でも合法
- アイソレートは日本でも合法
ブロードスペクトラム製法にも注意が必要?

上ではブロードスペクトラム製法は“THC以外の全ての成分が含まれる製法”=THCを排除した製法とお伝えしましたが、実はここに注意点があります。
実際、製法上、THCのみを完全に抜き取ってその他成分を残すのはほとんど不可能と言われています。つまりブロードスペクトラムの製品でも、ごくわずか微量ながらにTHCが含まれている可能性が高いのです、
では一体どうして日本でも販売できるのでしょうか?
実はTHCの計測の仕方はメーカーや会社によって異なります。以下のグラフをご覧ください。

メーカーA~Cはそれぞれの会社の基準値を設けて、THCの含有に対するテストをします。
この場合、万が一THCが含有されていても、基準値以下の場合は全て「0」という結果になってしまうということなんです。
例えば、メーカーAのようにTHCの基準値を3と設けていた場合、2.9以下は全て「0」という認識になり、成分表記には「THC0%」と記載されます。
でも、近年日本ではこうした一般の企業や社団法人などがそれぞれのメーカーのTHC含有率を独自で調査し、公式サイトで発表しています。それを見てみると、実際にTHCが含まれているメーカーが多いんです汗
こうした理由から、もしTHCを完全に除外し安全に製品を利用したい方は、ブロードスペクトラムよりもアイソレートの製品がおすすめと言えるでしょう。
- THCの含有テストの基準はメーカーによって違う
CBD購入で注意するべきこと

上記でお伝えしたとおり、CBD製品を合法で安全に利用したい場合は、製法に注意が必要です。またその他にも3つほど覚えておきたいポイントをご紹介するので、ご購入の際はぜひ参考にしてみてください。
注意点その1 安価な製品

安価な製品には充分な注意が必要です。なぜならCBD製品を安全な製法で製造するには、ラボや大型機器などが必要となり、多額のコストがかかるからです。
また、CBDが抽出されるヘンプは吸収力がとても強い植物として有名です。そのため手のかかるオーガニック栽培でないと、ヘンプが吸収した農薬や重金などが残留してしまう可能性があります。
実際、アメリカでは安価な製品にこうしたトラブルがあり、一時期問題となりました。また、日本でもトラブルが起きた事例があります。そのため、一時的なセール等でない限り、安価な商品には充分気を付ける必要があるのです。
また、配合量や価格帯について詳しくまとめた記事もありますので、併せてご参照ください。
関連記事:CBD価格を比較!購入前に濃度・製法・量などを確認しましょう!注意点その2 フルスペクトラム表記

上述でお伝えしましたが、フルスペクトラム製法は日本では違法です。ですが、どういうわけか大手ECサイトなどでも“フルスペクトラム”と表記しているショップが…
本当にフルスペクトラムなら日本では違法製品です。実際、フルスペクトラム製法が一番効果が高いと言われているので、敢えてそうした表記にしているのかもしれませんが、どちらにせよ注意が必要ですね汗
注意点その3 国や地域によって異なる法律

日本では全国共通で「CBDはOK、THCはNG」という決まりですが、アメリカでは州によってその法律がことなり、THCが含まれた製品を持ち運んではいけない決まりもあります。また、近年医療大麻が急速に進歩しているタイなどでもさまざまなCBD製品が発売されており、観光客も増えているそうですが、その中には日本では違法の製品も多々あります。
フルスペクトラムだけでなく、CBDが抽出されるヘンプの部位にも注意する必要がありますね。空港で留められることもあるそう… コロナがおちついて旅行にいった先でCBD製品を目にした場合は「製法・部位」に注目してくださいね。
医療大麻の進むタイの情報については、以下の関連記事に詳しく記載しています。
関連記事:タイはアジアの医療大麻先進国?最後に-効果が出やすいアイソレート製品について

今回はCBDの違法・合法について、掘り下げてお伝えしてみましたがいかがでしたでしょうか?購入時の注意点なども是非参考にしてみてください。

また、そもそもCBDの効果を感じにくいという方も中にはいるようです。その理由は以下の関連記事で詳しくご紹介しています。
関連記事:CBD効果を感じない人の特徴と使い方